きえない、きえない…けさない? 傲 欲 「はっ、ぁ、あっ!」 だらしなく開いたままのイギリスの口からは嬌声と唾液がこぼれ、それによりまた自身が昂るのを感じた。 それは俺の上に乗って腰を振っているイギリスにも伝わったようで、ひっ、と腰を震わせ中を、ぎゅ、と締め付けられる。 「ちょ…きついって」 「やぁっ、あ、さわぁ…なあっ!」 流石にイギリスより先に達するわけにはいかず射精感をやり過ごし、既に涎を溢してぐちゃぐちゃになっているイギリス自身を扱いてやる。 ふあ、と目を見開き背を撓らせる。 「だ…め、ぇ、ぁあっ…」 「んー、まだ、頑張れるでしょ」 強い快楽に侵されながらも溺れるまではいかず、中途半端な腰の動きを繰り返すばかりで時折イイところに掠めるたびに高い声をあげて啼くイギリスを見て嗜虐心が募る。 「あぁっ…!それ、やぁ、あ…」 震えていた腰を掴み、下からの突き上げでイギリスを揺さぶる。 目に溜まっていた涙が頬に伝い、イギリスにより一層の艶やかさを添えた。 本当に、いやらしい。 自重の関係と強く打ち付ける腰づかいにいつもより深々と咥えこんでいるそこはリズムよく自身を締め付け、その擦れる快感にイギリスの目はとろん、とゆらぐ。 「はぁっ、あ、もっ…んっ」 「ん?いっちゃう?」 「ふ、んっ、ん」 激しい動きに流されながら小刻みに体を震わせる姿にもう限界が近いのが窺い知れるが、生憎さっき堪えたせいでまだ俺は達する気配はない。 このまま俺がイクまで我慢させようか、とも思うけれど堪え性のないイギリスにそれは無理な話だろう。 「ナカだけでイケるよね」 「あぁっ!あ、深…ぁ、あ…」 倒していた体を起こし胡坐をかいた上にイギリスをのせれば角度が変わったせいで擦れるところが変わり、イギリスはさっきとは違う声音で啼いた。 ああ、もうイクかな? イギリスのイイところに当たるようぐり、と捏ねる動きを加えればひゅっ、と息を吐き出したイギリスはあっけなく果てた。 「あ、あ、ぁ…っは…」 どくどくとイギリスの先端からは白い精液が吐き出され、それがイギリスの下腹と、イギリスを伝って俺の腹の上に欲の痕跡を残す。 荒い息を吐き出しながらイギリスはその光景に頬を赤く染め息を詰めるも、それはつう、と止め処なく溢れる。 純潔の白、というも、これは純潔と言うよりも酷く背徳的であり淫らである。 まったく正反対で、その実犯したくなる性質は同じなのだから手に負えない。 とさり、と達した倦怠感に襲われ体を凭れかけてくるイギリスを抱きとめ、未だに俺を咥えこんだままの其処を指でなぞる。 「あっ…さわ…、な…ぁ」 きゅ、と恥じらうように締まる其処に気を良くし、中に埋め込んだ自身を僅かに動かす。 あっ、ん、と耳元で甘く高い嬌声が上がりしたりと笑む。 「なぁ、イギリス…」 ふ、と耳に息を吹きかければ大袈裟なまでに身を跳ねさせる。 そのまま耳をねっとりと舐め上げ、ちゅ、とかわいらしい口付けを贈る。 「俺まだ気持ち良くなってないんだよね」 イギリスの中でイかせてよ。 「あああぁっ!」 ぐる、と体勢を入れ替えマウントポジションをとる。 中が捻じれて今までの比じゃない締め付けに襲われるも、それはただの快感を増強させる素にしかならない。 辛そうに顔を歪めるイギリスの顔を見て、ああまだ今日はこの顔を見ていなかったんだと思いだす。 「痛い?辛い?」 腰を掴む手に力を込め、イギリスの背が浮き上がるほど抱えあげて打ち込む。 はっ、はっ、と荒い息を吐きながらイギリスを見下ろせば、辛いからか恥かしいからかわからないが腕で顔を隠してしまった。 つまらない、そんなの。 「イギリス」 「……」 「おい、」 「っぁ、あ…」 多少強引に押し付ければ噛み締めた唇から僅かに声が漏れる。 が、足りない。 「イギリス」 「はっ、ぁ、あ…くぅ、…」 「腕、外せ」 有無を言わせない調子で言い、ゆるゆると腕を外すイギリスの顔をじっと見つめる。 ずっと潤みっぱなしだった目はやはり誘っているようにしか映らず、そのまま誘われて腰を動かす。 あーもうイクかなぁ。 イギリスは目を薄く開き、眉は寄せられ少し八の字に下がっている。 可愛い、すごくおいしそう。 「なぁ、イギリス」 だけどもうちょっと我慢して。 欲に濡れた目が問うようにこちらを見つめる。 半開きの口からは真っ赤な舌が覗き、あーそそられるな。 うん、だけどね…。 「せっかく、抱いて、やってる、のに、声殺すなよ」 にっこりと優しげに笑むが、動きは容赦なく。 だってお前が抱いてほしいって言ったんでしょ? 俺を誘うような真似して自分から俺の上乗って腰振って。 そんなお前にそそられたから俺もリクエストに答えてやってるのに。 だからさ、もうちょっと楽しませてよ。 せめて御婦人たちにできないようなプレイとかSEXの回数こなさせてくれるとか、さ。 流石に御婦人たちを抱きつぶすわけにもいかないし。 それにそうじゃなきゃお前なんて抱いてやる理由がないしね。 「啼けよ、いい声で」 「あっ、んっ、ん、ぁ…!」 せいぜい俺の気が済むまで。 「あ、ひあぁっ!」 「っくぅ、う…」 どくどくと中で自身が溢れているのと、再びイギリスが達したのを感じる。 やっぱり堪えた分だけ出るなぁ…。 ひとしきり放出が終わるのを待ち、腰を掴んでいた手を放す。 ひき続いた射精にぐったりと体をベッドに沈めているイギリスに軽く口付け、前髪を掻き揚げてやる。 それに安心したような笑みを浮かべ、ほっと息を吐くイギリスににやりと良くない笑みを浮かべる。 「イギリス…」 まだシ足りないんだけど? イギリスは驚いたように目を見開き、明日は…いや、今日は朝一で会議が…、と弱々しく口を開く。 「けど、足りない、し、誘ったのはお前だ」 お前が今日来なければ俺は素敵な御婦人と会う予定だったのに。 わざとらしくそう囁けばイギリスは唇を噛み締め、やがて諦めたように体の力を抜き目を閉じる。 「いい子だ…」 ちゅ、と額にキスを贈り、硬度を取り戻した自身を再び穿つ。 イギリスはいつも一生懸命に俺を繋ぎとめようとする。 それがこんな方法であれ、使える手段は全て使う、というように。 そしてその結果泣きを見ているのはイギリス自身だというのに。 それでも、今更イギリスを手放すつもりなんて俺にもこれっぽっちもないけれど。 なんていうか、うん、あいつは俺のものだ、と思う。 愛しているのとは違う、俺の底なしに沸いてくる欲がイギリスにのみ向けられているせいだ。 それは恋愛感情を伴わない、ただの独占欲なのだけど。 まぁなんにせよ、 俺が満足するまで、たっぷりと楽しませてもらおうか。 09/04/24 「俺はお前のことを愛しているわけじゃない。だけど、お前の体は気に入ってる。だからお前が抱いてくれとせがむなら付き合ってやってもいい」 なんていう酷い仏と、それでもいいから、と仏のことを好き過ぎる英。 |